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アロマダイアリー 2012年12月

2012年12月27日アルツハイマー型認知症の70歳代女性へのアロマトリートメント
今日はデイルームでのトリートメントを行いました。いつもお化粧をされているのですが、今日はされておらず、
「○○さん、今日はお化粧をされていないのですね」と声を掛けると、その時は頷かれるだけだったのですが、
腕のマッサージをしている途中で、「顔に赤いのを塗ってくる。すぐに戻るから待ってて。」とデイルームから出て行かれました。患者様の病状を考えると、アロマのことを忘れてしまわれて、デイルームに戻って来られないかな、と思いましたが、数分後、しっかり顔にチークを塗られて戻って来られました。
普段、多くをお話しする方ではないのですが、何気ない会話が楽しく弾むことがあります。
以前、アルツハイマー型認知症の患者さんに香りの刺激を与えることで、12人中8人の方に症状改善が見られた症例を読んだことがあります。
私たちが行っているアロマテラピーマッサージが少しでも患者様のお役に立てられるよう意識して施術を続けていきたいと思います。(須田)
2012年12月23日悪性リンパ腫の90歳代女性へのアロマトリートメント
病室に伺う前に看護師の方より「あまり今日は状態がよくないので、ご本人に聞いてみてください。」との申し送りがありました。訪室すると、眉間に皺を寄せて辛そうな表情で目を閉じられていましたが、声をかけると目を覚まされて、私の顔を覚えてくださっていたようでした。
声を出すのもやっとといったご様子で、「今日は朝から辛くて。。」とおっしゃるので、「今日のアロマはどうしますか。」とお聞きすると、「アロマをやってもらったら少しは楽になるかしら。」とのお返事。
「少しだけやってみましょうか。もし途中で辛かったらお声を掛けていただいたら、すぐに止めますね。」とお伝えすると、「じゃあお願いします。」とおっしゃいました。トリートメント開始直後は、苦しそうな表情をされていましたが、だんだん眉間の皺も消えて表情が穏やかになり、終了時までウトウトされながら受けられていました。終了後は穏やかな表情になられて、「楽になりました。どうもありがとう。」と声をかけてくださいました。(川島)
2012年12月17日肺がんの50歳代男性へのアロマトリートメント
初めてアロマを受けられる方でした。病室に伺うと、鼻に酸素の管をつけてベッドに腰掛けていらっしゃっいました。アロマに来たことをお伝えすると、少し緊張された様子ながらも「お願いします。」とお返事してくださいました。
簡単にアロマの説明をさせていただき、ご希望の部位を伺うと、「普段から体の力を抜くのが下手で、常に緊張している状態だから背中から肩が凝ってしまって。その辺りをやってもらいたいんだけど。」とのこと。側臥位の体勢をとれるということだったので、上着を脱いでいただいて、左側臥位の体勢をとっていただきました。少し動くだけで息が切れるのか、ハァハァとお辛いご様子でした。
トリートメントを始めると、すぐに「いやぁ。気持ちいいですね。」と仰ってくださいました。緊張を取るように、優しくトリートメントを行いました。しばらくする呼吸がかなり落ち着いていました。下肢を拝見すると浮腫が見られたので、こちらも合わせてトリートメントを行いました。抗がん剤の副作用でむくんでしまったということでしたが、今はかなり良くなっているそうで、ご本人的には、重いとかだるいとかそういった感覚はなく、見れば「あぁ。むくんでるな。」ということは分かるものの、特に気にならないご様子でした。
トリートメント中はずっと目を閉じてリラックスしてアロママッサージを受けられていました。むくみ自体にはほとんど変化は見られませんでしたが、終了後、「フットマッサージも気持ちがいいですね。リラックスできるし、体の緊張も取れるし。もっと早く受けていれば良かったな。仕事をしてたときにはアロママッサージなんていう選択肢は、自分の中になかったもんな。いやぁ。ほんと気持ち良かったです。どうもありがとう。ふつうのマッサージより断然こっちの方がいいですね。」と笑顔で仰ってくださいました。 (川島)
2012年12月13日アルツハイマー型認知症の70歳代女性へのアロマトリートメント
今まで何度かデイルームで施術しましたが、今回は初めて患者様はベッドに横になられてトリートメントを行いました。施術前に右の手掌が痛いと訴えておられましたので、右手からアロママッサージを始めると、「お薬塗ってもらったらすぐ痛くなくなった」と仰ったので、精神的な要因も考えられるのかも知れないと思いました。その日は息子さんやご姉妹のお話、病室から見えるお店の話など、いつも以上にたくさんお話をされました。今日はご自分のベッドでの施術でしたので、リラックスされていたのかも知れません。今回お話した中で特に印象的だったのが、お金のお話でした。「あそこに○○というお店見えるでしょう??あそこね、いつも混んでてね、車がいつも10台停まってるの。私ね、一度あそこに行ってみたいの。でもね、私お金持っていないでしょう。お金持ってない人がそんなところに行っちゃダメよね。でもね、私、行ってみたいんだ。」「私の実家がね○○にあるんだけど、もうそこにはね誰も住んでいないの。でもね、私、○○に行きたいんだ。だけど、私お金持っていないから電車に乗れないの」この患者様は認知症なので、お話しの内容も実際のところはわかりませんが、少なくとも病院に入院されている患者様は病院での生活が日常であり、限られた空間の中で生活されています。いつも窓から見ている所に行ってみたい、生まれ故郷に行ってみたい、という気持ちが湧いても不思議ではありません。私たちはアロマセラピストとして、アロマトリートメントで患者様のストレスを少しでも緩和し、質の高い時間を提供することが必要とされていることだと思います。(須田)
2012年12月13日 脳梗塞で入院中の80歳代男性へのアロマトリートメント
お伺いするとデイルームで気持ち良さそうにお昼寝されていました。
お声かけすると「待ってたよ〜今日は来ないかと思った」とお待ちかねだったご様子。
部屋の方がゆっくりできると思いお部屋のベッドに移動していただきました。
お部屋に着くと「体がね、痒くて掻いちゃうんだ」と下肢の肌などを見せて乾燥している部分を見せてくださいました。「今日もできるだけオイルを塗りましょうね」と言うと、「あ〜有難いね」と嬉しそうにしてくださいました。
オイリングから「あ〜気持ちいいね」と本当に気持ち良さそうに言われていました。 すぐに深くリラックスされてウトウトされていました。 手の指をゆっくりとニーディングしてほぐしていくと、「あー気持ちいいね。やっぱりいいね」と仰りました。肌は全体的に乾燥がひどく、かなりオイルが浸透しました。
私がトリートメントをさせていただくようになり10ヶ月ほどたちますが、とても慣れてくださり、深く安心してリラックスしていただけているのが伝わってきます。
(私自身を覚えてくれているのかはわかりませんが、アロマのことは覚えてくださっていて、気持ち良い時間が過ごせると思ってくださっているようです)
前回の冬は三枚も靴下を履き、冷え性だと仰っていましたが、今年は今のところ一枚の靴下で冷えもない様子です。
二週間に一回ですが、毎回しっかりと受けていただいているのが少しは関係があるのかなと思いました。
最近では、ただ受けてくださるだけでなく、私に気を使って「椅子を使っていいよ」「タオルを使いな」など、周りの様子を見てとても細かく気を使ってくださるようになったと感じます。(4ヶ月くらい前まではそういったことはありませんでした)
二週間に一回、15分〜20分と短い時間ですが、しっかりとアロマテラピーに対して安心感と信頼感を持っていただけているのかなと感じます。これからも患者様とは限られた時間の中での関わりとなりますが、アロマテラピーを通じて信頼関係を築いていけたら嬉しいと思います。(佐藤)
2012年12月13日 変形性股関節症で入院中の90歳女性へのアロマトリートメント
訪室すると笑顔で迎えてくださり、「今日は朝からお風呂、リハビリと続いてて、いちばん大事なこのマッサージがいつ来るかなぁ、と楽しみに待ってたの。やってもらうとほんと楽になるのよ。」と、おっしゃってくださり、本当に楽しみにしてくださっているんだなぁというのがよく伝わってきました。
前回やらせていただいたときよりかなり乾燥していたので、多めにオイルを塗布してトリートメントを行いました。
トリートメントの前半で、子どもの頃からお母さんに、「大人になっても困らないように」と、洋裁、和裁、スポーツ等々習わせてもらったお話をしてくださり、今日お召しのパジャマはご自分でお作りになったことを教えてくださいました。後半は、静かに目を閉じてリラックスされて受けられていました。
終了後は満面の笑みで、「これで今日もよく眠れるわ。」と嬉しそうにおっしゃっていました。(川島)

2012年12月6日 娘さんががんで入院中のご家族(60代女性)へのアロマトリートメント
病院では、緩和ケア病棟にお越しの患者様のご家族にもアロマテラピートリートメントを行っています。
患者様のお母様は毎日欠かさず、朝8時くらいから夕方17時くらいまで病院にいらっしゃっています。
家にいても一人でいろいろ考えてしまって、夜は薬を飲まないと眠れないとお聞きしていたので、娘さんのトリートメント時にはお母様も一緒に短い時間でもトリートメントをさせていただいています。
今日は患者様の人数も少なく、また娘さんも熱があったためマッサージは行わずオイル塗布のみだったので、いつもより時間をかけてトリートメントをさせていただけることをお伝えするととても喜んでくださいました。
お部屋のテレビでは、芸能人の方が亡くなったニュースや病気のニュースを流していて、今の娘さんの状況と重ね合わせて見ていらっしゃるのか、お母様は複雑な表情を浮かべていらっしゃいました。
最近はお疲れもかなりたまっているご様子でした。病院には、アロマ専用のトリートメントルームがあるので、アロマルームでのトリートメントをお勧めしましたが、娘さんから離れることを躊躇されたため、病室でトリートメントを行いました。
普段からトリートメント中はいつも、「病院に来てアロマをやってもらうのは本当に楽しみなのよ。ほんと気持ちいいわ。」とおっしゃってくださり、今日もリラックスされているのか、目を閉じて受けられていました。
実際にはお母様の心中は察するに余りありますが、他の病院ボランティアさんからも、「『アロマが唯一の楽しみ。」といつも嬉しそうにお話しされているわよ。」とお聞きすると、少しはお役に立てているのかな、と嬉しく思います。
セラピストとして私ができることは本当に些細なことですが、アロマを受けていただくわずかな時間だけでも、患者様ご自身も、ご家族も、ほっとリラックスしていただけるように、これからもトリートメントをさせていただきたいと思います。(川島)


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