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医療現場からの報告
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脳性麻痺のクライアントへのリフレクソジー by 牧野和子

約3年間、夫の海外赴任に伴いタンザニアで暮らし、先頃帰国いたしました。
タンザニアではいろいろな経験をさせていただきましたが、リフレクソロジストとして過す時間を持てたことは幸いでした。
タンザニアでの症例を一つご紹介致します。
クライアントは15歳の男児、脳性麻痺による四肢麻痺と痙攣、及び知的障害を併せ持っていました。当初は母親へのトリートメントが目的でした。毎週1回、6回のトリートメントを終了した頃、自身の体感を通してリフレクソロジーに対する理解を深めた彼女から男児へのトリートメントを依頼されました。
男児へのトリートメントは帰国までの約1年間行いました。毎週1回のペースで半年間、その後段階的に2週間に1回のペースに間隔を空けてゆきました。四肢の筋緊張が非常に強く、体位の保持が困難であること、言語によるコミュニケーションが不可能であることから試行錯誤の連続でした。男児にとって体位は安楽であろうか?圧の強さはどうだろうか?時折挙げる声は「快」を表しているのだろうか?それとも「不快」だろうか?毎回、トリートメント後のリアクションを母親に確認しつつ、足から得られる情報はもとより味覚以外の五感を総動員して男児の状態の理解に努めました。
手探りのトリートメントを重ねるうちに男児とのコミュニケーションが取れてきている様な感覚を覚えました。実際、筋緊張が若干和らぎ、落ち着いてトリートメントを受けることが出来る時間が増えてきました。

母親から以下のような報告を受けました。
* リフレクソロジーを受ける前は夜間に数回目を覚まして母親を起こしていたのが朝までぐっすり眠れるようになった。これは彼の15年間の人生において初めてのことであり、休暇帰国で1ヶ月トリートメントが受けられなかった期間も夜間に目覚めることは無かった。この男児の変化に伴い家族(特に母親)も夜間に十分な睡眠を取る事ができる様になった。
* 男児は長期間に渡り、重症の便秘に悩まされてきたがリフレクソロジーを受けるようになってから状態が大きく改善されたと実感している。
* 男児は5歳以来、脚の筋緊張を緩和するためにボツリヌス菌を注入する治療を受けてきた。1年以上その治療を受けていないがリフレクソロジーを受け始めてから筋緊張が高まっている様子が見られない為、休暇帰国時に受けているこの治療を受けずに済んでいる。

以上の報告からリフレクソロジーにより、睡眠状態の改善、腸の機能の改善と向上、筋緊張の緩和を得ることが出来たと思われます。約1年間リフレクソロジーを受けている期間は、2,3回理学療法を受けた以外は他のセラピーは受けておりませんでしたので上記の改善点に関してリフレクソロジーが大きく関与していると考えられます。
リフレクソロジーは男児の生活の質の向上に良い影響を与えたと共に、男児をケアする家族の生活の質も向上させたと言えるのではないかと思います。補完療法としてのリフレクソロジーの可能性を強く感じました。

男児の母親から「彼は和子が来ること、そしてリフレクソロジーを受けることをとても楽しんでいた。」との言葉をいただきました。それは、翻って私自身にも言えることで毎回の施術を楽しみ、言葉ではない多くのメッセージを受け取りました。リフレクソロジストとして彼の傍らで共有した時間は喜びであり、大きな学びでありました。タンザニアの青い空を映し出す彼の瞳がまるでサファイアのように美しく輝いていたことが深く心に残っています。

タンザニアは生活の不便さを補って余りある魅力の有る国でした。
圧倒されるほどの豊かな自然と人々の明るい笑顔、そして他者への思いやりと助け合いの精神。その中でリフレクソロジストとして育てて頂いたものを今後の活動に活かしてゆきたいと考えています。



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