医療現場からの報告(2016年10月~12月)

2016年12月
90歳代 男性 腰椎椎間板ヘルニア

目を開けてベッドに横になられていた。お声掛けすると返事をしてくださるが、視線や顔は動かされなかった。アロマの説明をすると、力ない感じのお声だったが「はいお願いします」と仰られた。 上肢は前腕部に所々内出血されている箇所があったので、オイル塗布をしながら優しく抑えるように行った。手背と手掌と手指は内出血も見られなかったのでエフルラージュするように行った。上肢の施術中も目を開けられていた。「腰痛いですか?」と問うと「うん。痛い。」と仰った。左下肢は内側に点滴をされていたので、左は足部のみとした。下肢は筋なくとても細かった。冷感なかったが乾燥されていた。下肢は足背と足裏の優しいもみほぐしを中心に行った。患者様は終始目を開けて天井の一点を見つめられているご様子だった。施術後に「少し足が軽くなりましたか?」と伺うと、「うん、ずいぶん楽になった。ありがとう。」と仰ってくださった。

2016年11月 産婦人科からの報告
50代 舌癌

訪室時はベッド上に腰掛けておられ、こちらの訪問は快く受け入れてくださいました。 施術部位を確認すると肩と首と下肢を希望されました。 横臥位にて、左右に分けて首と肩のトリートメントを実施しました。 圧には十分に気をつけました。 トリートメント開始直後よりウトウトとされ寝息を立てていらっしゃいました。 多くの痛みや不安と闘っていることが伝わってきました。 少しでも気持ちが和らいでほしいという思いで施術していきました。 下肢は仰向けで行いました。 体の向きを変えるとき以外は、終了時お声をおかけするまで入眠されていました。 夜は寝たり起きたりを繰り返しており、熟睡が難しいとのことでした。 今回のトリートメント、香りをとても喜んでいただけました。

77歳 女性 脳梗塞で左半身麻痺

訪室時ウトウトされていましたが、声かけに対し覚醒。 久々のマッサージだと喜んでくださいました。 以前よりアロマに興味があったとのことで、精油の名前をいくつかあげると、「知ってるわ」と笑顔が見られました。 健側からマッサージを開始し、麻痺側は痛みに気をつけながら行いました。 痛みの出現なく終了。 表情よく、「リハビリ頑張るわ」と笑顔が見られました。

78歳 女性 認知症

ベースの疾患はわかりませんが、完全に寝たきりで四肢の拘縮が著名。 訪室時、開眼しており、声かけに対して発語あるものの、内容を理解できずコミュニケーションを細かくとることは困難でした。 触れられることに対し、不安が強い様子でした。 ひとつひとつ声かけし、表情を確認しながらエフルラージュを行いました。 少しずつ慣れてきたせいか、時々目をつぶっていらっしゃいました。 手指の拘縮に対して、少しずつ屈筋群をほぐしていきました。わずかに緊張が和らぎました。拘縮のある方を定期的に介入できると、所澤先生がおっしゃっていたように必ず拘縮を緩和できると実感できました。

2016年10月 産婦人科からの報告

帝王切開後で、まだ術後の痛みがあり、身体が動かない状態でしたので、仰向けで行いました。 ゆったりとアロママッサージを始めると、目から沢山の涙が溢れ始めました。 「温かい手で優しくアロママッサージされたら、我慢していたものが全て解放されるように涙が自然に出てきました。」とお話を始められました。 赤ちゃんがより高度な治療を受けるため、別の病院に搬送され、心配で夜も眠れなかったようです。 アロママッサージが終わるまで涙は止まりませんでした。 施術を終えると、「こんなにアロマトリートメントが温かく優しいなんて、全てが浄化されたようで気持が本当に楽になりました。」と笑顔がこぼれ大変感謝されました。 後日、担当の助産師から、患者様がアロママッサージがとても良かったと仰っていたと伺い、「医師にも看護師にも言えなかったことがアロマセラピストには言えて楽になったのね、ありがとう」と言われました。 様々なお産があり、産後は喜びばかりではなく不安になる方が多くいます。アロママッサージが産後のいろいろな方に少しでもお役に立てるよう努力していきたいと思います。


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